2017年6月4日日曜日

【第715回】『吾輩は猫である(2回目)』(夏目漱石、青空文庫、1905年)

 読み進めていて、ずっと読める感じがする。「吾輩」が酩酊して溺死することがなければ、ずっと物語が続くのではないかと思わさせられる。決して短い作品ではないが、小気味良いテンポで、小さな話題が散りばめられているために、読んでいて飽きがない。

 元来人間というものは自己の力量に慢じてみんな増長している。少し人間より強いものが出て来て窘めてやらなくてはこの先どこまで増長するか分らない。(Kindle No. 161)


 こうした風刺が小気味いい。人間というように一般化せずに、自分に置き換えてみることで、自らを省みることができる。


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