JALや民主党を思わせるようなモデルによって描かれる一大活劇。半沢の活躍はいつものことながら、巨大企業トップである中野渡のリーダーとしての有り様に、静かな感動をおぼえる一冊。
報告書を差し出した内藤は、立ち上がり、深々と一礼して部屋を後にした。中野渡の返事を待つことも、余計な意見を差し挟むこともない。後にはただ、研ぎ澄まされたプライドと思念だけが生々しい気配を残すのみだ。(327頁)
「物事の是非は、決断したときに決まるものではない」
中野渡はいった。「評価が定まるのは、常に後になってからだ。もしかしたら、間違っているかも知れない。だからこそ、いま自分が正しいと信じる選択をしなければならないと私は思う。決して後悔しないために」(370頁)
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