金融業界の買収劇。金銭だけが問われるドライな世界であるかのように思えるが、本作で描かれるドラマは、良くも悪くも人の匂いに溢れている。
続巻がありながらも、一旦クライマックスを迎える本書の最後のシーンは、美しい。
渡り廊下の向こうに見える海に、静かに夕陽が沈んでいった。
そして再び闇が広がろうとしていた。
夕陽は、明日の希望ではなく、絶望という闇の始まりに過ぎない。
ここは、絶望の大陸。そんな、歌があったな。
絶望、結構じゃないか。
それが、俺達の餌になるんだから……。(417~418頁)
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