2016年12月24日土曜日

【第657回】『ハゲタカ(下)』(真山仁、講談社、2006年)

 金融業界の買収劇。金銭だけが問われるドライな世界であるかのように思えるが、本作で描かれるドラマは、良くも悪くも人の匂いに溢れている。

 続巻がありながらも、一旦クライマックスを迎える本書の最後のシーンは、美しい。

 渡り廊下の向こうに見える海に、静かに夕陽が沈んでいった。
 そして再び闇が広がろうとしていた。
 夕陽は、明日の希望ではなく、絶望という闇の始まりに過ぎない。
 ここは、絶望の大陸。そんな、歌があったな。
 絶望、結構じゃないか。

 それが、俺達の餌になるんだから……。(417~418頁)


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