2017年2月5日日曜日

【第676回】『経営の精神』(加護野忠男、生産性出版、2010年)

 経営学の碩学による、マネジメントに興味関心の強い日本の読者への書籍。「我々が捨ててしまったものは何か」という副題が重く私たちにのしかかる。

 コミットメントをまったく無視しているのは、「同一労働、同一賃金」という考え方である。同じ仕事をしていてもコミットメントの高い人は企業にとってより大きな価値がある。企業が正規社員により高い給与を支払うのは、彼らがコミットメントを持ってくれているからである。(165頁)

 時代の潮流は同一労働・同一賃金である。しかし著者は、コミットメントの観点からそれを否定する。職務の中で工夫をし、そこでストレッチをしていくことを評価することで、社員の企業へのコミットメントを担保することができるのではないか。


 また、そうした考え方を持たないと、労働から人間的な要素が抜け落ちてしまうことになるのではないだろうか。働く私たちにとって、働くことによって人間的な成熟を深めることができるのではないか。


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