本書を読むのは三度目であり、いずれも興味深いタイミングで読んでいる。初めて読んだのは最初の会社を辞める直前であり、モヤモヤとしながらも自分がやりたいことに進もうと決意しつつある時期である。二回目は、修士課程に進んだものの修士論文に着手できておらず、研究のプレッシャーから逃れたいという想いと相俟って精神的に不安定な時期であった。今回はそうしたシリアスな背景があってというよりは、南国でのワークの題材を探している時に、いろいろと考えた結果として本書に思い至ったという要素が大きい。しかしそもそもそうしたことを思いつくということ自体が稀有なことであり、本書には何かのきっかけを呼び起こす不思議なものがあるのではないか。
セントレアから石垣までの飛行機の中でワークを考えたのであるが、これ自体が面白かった。こうしたプロセスの設計こそが、私自身にとって重要な「ワクワク」の一つなのであろう。ワークとは参加者の相互交渉を踏まえて柔軟に変化させるものであるのだから、予定していたものの全ては行わなかったが、他者との相互理解を進めるという目的に役立った点を記してみよう。
ステップは二つだけである。一つ目は、「ワクワク」をリストアップすることである。具体的には、本書の136頁にある27の質問項目を用いた。お互いに質問をし合いながら出していくと良いだろう。その際には、回答内容を深掘りしたり、その意図を把握したり、具体化する質問を行うと効果的だ。
こうして出てきた「ワクワク」の上位概念を導き出していくのが二つ目のステップである。20から30個の「ワクワク」を5個程度に抽象化していく。抽象化のプロセスにおいて話すことや、抽象化されたキーワードを眺めていると、お互いを自ずと理解できるのだから面白い。
あくまで上記は私が実際に行った例にすぎない。本書を紐解いていただければ、他のやり方を思いつくこともあるだろう。パラパラとめくりながら、自分自身にあったワークを設計してみてはいかがであろうか。
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