『ワークシフト』で現代に求められる働き方やマインドセットを論じた著者が、人生というスパンにおいてこれからの私たちに求められるものを描いた本作。長寿化がネガティヴな意味合いにおいて捉えられがちな我が国に対して、著者たちは日本語版への序文で以下のように述べる。
長寿化を恩恵にするためには、古い働き方と生き方に疑問を投げかけ、実験することをいとわず、生涯を通じて「変身」を続ける覚悟をもたなくてはならない。(7頁)
長寿化によって私たちが得られる可能性を指摘するとともに、何もしなくてもそれを得ることができるわけではないことを指摘していることに注目するべきであろう。アジャストするために自らの工夫で少しずつ実験を繰り返し、そこで得られる学びをもとに、自分自身の変容を促すのである。
マルチステージの人生を生きるためには、これまで若者の特徴とされていた性質を生涯通して保ち続けなくてはならない。その要素とは、若さと柔軟性、遊びと即興、未知の活動に前向きな姿勢である。(224頁)
自己変容を自ら創り込むためには、従来は子供が持っていた特質を、いつまでも持ち続けることが大事であると著者たちは述べる。そのための要素が上記で引用した三つである。シンプルではありながらも、日常の生活や仕事で追われる中で、こうしたことを意識することは難しいものだ。そうであるからこそ、大事にしたいものである。
【第172回】『「働く居場所」の作り方』(花田光世、日本経済新聞出版社、2013年)
【第682回】『やり抜く力』(アンジェラ・ダックワース、神崎朗子訳、ダイヤモンド社、2016年)
【第441回】改めて、キャリアについて考える。
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