2017年5月13日土曜日

【第708回】『採用基準』(伊賀泰代、ダイヤモンド社、2012年)

 流行の書籍には目を通しておいた方がいいのだろうと思いながら、ついつい優先順位が下がってしまう。本書についても、ようやく紐解くことができた。いろいろと書かれているが、要は、日本企業の人材にはリーダーシップの発揮が求められているということに尽きるだろう。

 私には、自らリーダーシップを発揮して、彼らから寄せられるアドバイスのうちどれを採用し、どれを採用しないか、自分で決めることが求められていたのです。もちろん採用しないと決めた意見に対しては、後から「なぜあの意見を取り入れなかったのか?」と問われるでしょう。しかし、その問いにきちんと返答することができれば、それでよいのです。私に求められているのは、「自分で決め、その結果に伴うリスクを引き受け、その決断の理由をきちんと説明する」ことであって、上司の指示をすべて聞き入れることではなかったのです。(74頁)


 リーダーシップに関する要件については本書を読んでいただくこととして、感銘を受けたのは、他者からの様々なフィードバックの全てに応えることは無理であること。それゆえにいずれかを自分で選ぶことと、その選んだ理由を明確にしておくこと。これらは実務に携わっているとよくぶつかるケースであり、自分が苦手とする領域なので読んでいて自分事として捉えることが容易であったし、気づきを得られた。


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