2019年8月11日日曜日

【第976回】『すらすら読める正法眼蔵』(ひろさちや、講談社、2007年)


 正法眼蔵は難解だ。その難解な書籍を噛み砕いて説明してくれる著者には脱帽する。では、正法眼蔵のポイントはどこにあるのか。その著者である道元の思想の本質を以下のように端的に述べる。

 道元禅の本質は、この「心身脱落」にあります。わたしたちはこの「心身脱落」を理解することによって、道元の思想が理解でき、そして道元の主著である『正法眼蔵』を読み取ることができるでしょう。(12頁)

 ではどのようにすれば心身脱落ができるのか。そのためのヒントは只管打坐にあるという。

 ”只管””祗管”とは宋代の口語で、「ひたすらに」といった意味。全身全心でもってひたすら坐り抜きます。そのひたすら坐り抜いている姿こそが仏であり、悟りです。道元はそのように考えました。仏になるための修行ではなしに、仏が修行しているのです。(18頁)

 難解な正法眼蔵もこのように捉えると楽しく学べる、気がする。

【第734回】『日本仏教史』(ひろさちや、河出書房新社、2016年)

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