『餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか?』に続くシリーズ第二弾。本作では、前作で学んだ会計の知識をどのようにビジネスの中で活かすかという観点から、管理会計を経営リテラシーとして用いる視点がストーリー仕立てで展開される。
出てくるキーワードはどれも基礎的なものではある。しかし、それらを現実のビジネスにおいてどのように活用するのか、またそれぞれの概念の繋がりは何かをおさらいしながら学べるのがこのシリーズの良いところであろう。ストーリーが面白いためにあっという間に読めるが、学びは思いのほか多いものとなるだろう。
コンピュータシステムが成功するかどうかの鍵は、ERPパッケージでもなければ、SI会社でもない。大切なことは、経営者が、経営に必要な情報を明確に定義できるかどうかだ。(39頁)
細かな概念については本書を読んで学んでほしい。しかし、管理会計をなぜ行う必要があるのかという総論に関しては、上述したメッセージに集約されていると私には思える。システム化をすれば何かが解決されると私たちは時に思ってしまうが、そうではない。そもそも何をシステム化してそれをどのように扱うのかを定義しなければ、経営上のインパクトは弱く、下手をすればネガティヴなものとなる。システム化は、他者に委ねて利益が出る魔法の杖ではなく、当事者意識を持って構築するべきものなのだ。
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