2016年10月17日月曜日

【第633回】『50円のコスト削減と100円の値上げでは、どちらが儲かるのか?』(林總、ダイヤモンド社、2012年)

 『餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか?』シリーズの著者が、安曇教授以外の登場人物を変えて送る新たなストーリー。

 売上高ー材料費(変動費)=限界利益
 限界利益ー固定費=利益

 76頁にある上記の基礎的な知識を踏まえながら、「限界利益とは、会社が生み出した付加価値そのものなのだ」(67頁)と限界利益の本質を端的に表すのはさすがである。

 『餃子屋~』も面白かったが、本書が私には最も興味深く、かつ何度も読みたいと思える一冊であった。というのも、会計の基礎知識を学べることは同シリーズと同じであるが、会計、つまりは財務の視点を取っ掛かりとしてBSCの他の三つの視点とを結びつけながら学ぶことができるからだ。とりわけ143頁でまとめられている業務プロセスの視点についてのポイントが秀逸である。

 ①商品とサービスを顧客満足につなげる
 ②生産性を向上させる
  (1)コストの削減
   ・歩留まり率を高めて材料費率(変動費率)を減らす
     食材のムダ使いをやめて歩留まり率を高める
   ・固定費の増加を抑える
     贅肉(ムダな費用)はそぎ落とす。
     だが筋肉(会社にとって不可欠な費用)は減らさない。
  (2)資産の活用 
   ・設備の稼働率を高める
   ・在庫(棚卸資産)の回転速度を速める

 こうして、限界利益と業務プロセスの視点にある在庫との関係から、「現金を稼ぎ出す力」(150頁)として定義される利益ポテンシャルの説明に移る流れは見事だ。

 利益ポテンシャル=限界利益÷在庫金額(150頁)

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